今後の課題としては、まずネットワーク切断への対策が挙げられる。被災地では 建物の倒壊や停電等によってネットワークの切断が多数発生した。このような障 害がインターネットの基幹部分で発生すれば、その被害は今回よりもはるかに大 きなものになるであろう。経路やシステムの二重化によって耐故障性の高いネッ トワークを作ることが必要である。
2つ目の課題は、情報源をコンピュータ上のデータとして持つことである。例え ば死亡者の一覧をインターネットに流す場合、電子化されたデータを入手できれ ば作業時間は少しで済む。ところが、実際に得られるデータはあまり電子化され ておらず、インターネット上のデータとするためにかなりの労力を要した。最近 はマスコミによるインターネットへの情報提供も行われ始めているが、より迅速 かつ正確な情報提供のためには情報源を電子化することが必須であると考える。
3つ目の課題として、被災地でのインターネット利用がある。例えば今回の場合、 被災者の大半はインターネットに接続できる状態ではなく、従ってそこに流れる 震災情報を見ることもできなかった。被災者がインターネットを利用できるよう にするためには、災害時でも安定したインターネット接続を確保する必要がある。 例えば、無線や衛星を使った通信は地震による被害を受けにくいと考えられるの で、このような接続形態が普及すれば震災時でもインターネットを利用できる可 能性が広がるであろう。